胃内観察の落とし穴

胃内観察の落とし穴

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吉永 繁高 先生
吉永 繁高 先生
東京都立多摩総合医療センター
目次

キーポイント

  • 胃内観察における落とし穴は『死角』と『質的診断の問題』に大別される。
  • 死角には『物理的死角』と『心理的死角』が存在し、これらを常に意識した観察が重要である。
  • 質的診断が不十分であると、癌を癌として認識できず見逃しにつながる。

1. 胃内観察における落とし穴とは

1-1: 2つの死角

内視鏡観察において『死角』は病変の見落としの一番の原因だと思っています。『死角』という言葉を「ChatGPT」に聞いてみるとこのような返事がありました。

1. 基本的な意味

人や物、建物などに遮られて視界に入らない部分をいいます。

例)
建物の裏側は道路からの死角になる。
車のミラーでは見えない部分は死角になり事故の原因になる。🚗

2. 比喩的な意味

実際の視界だけでなく、注意や考えが及んでいない部分・盲点という意味でも使われます。

例)
その問題には思わぬ死角があった。
経験が豊富でも思考の死角は生まれる。

3. 医学・視覚の分野

医学では、特に視野の中で物が見えない部分を指すことがあります。これは「盲点(blind spot)」に近い概念として使われることがあります。

内視鏡観察における『死角』とは、上記の1と2が相当し、1の『物理的死角』と2の『心理的死角』があると思っています。

1-2: 病変を見ていても見逃してしまう

そして病変を見逃すもう1つの要因として『癌を見ても癌と診断できない』『その病変を知らないので診断できない』など知識、経験不足から来る『診断力不足』があると思っています。

2. 物理的死角

2-1: 胃の中で見えにくいところ

今は閉所した東京都立がん検診センターにて2006年に静止画、動画を確認し、観察不良部位を検討した結果、図1のような結果でした1)

数字は観察できていなかった割合です。これを見ると噴門部小彎、穹窿部前壁、胃体中下部後壁、胃角前後壁、胃角の裏などが観察不良であることがわかります。このような部位を意識しながら観察することが重要です。前回述べました私なりの観察方法はこのようなところを意識しています。

抜粋すると

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