胃ESDを円滑に進めるための工夫②

胃ESDを円滑に進めるための工夫②

テキストコンテンツ ESD 腫瘍性病変
読了時間:約16分
三浦 義正 先生
三浦 義正 先生
日本大学病院 消化器内科
目次

1. はじめに

近年、Underwater関連の治療手技が多く報告され、実臨床でも一つの大きな流れとなっている。食道、十二指腸、大腸といった管腔の狭い臓器とは少し異なり、胃は“ものを貯める臓器”なので、Underwater関連手技は少し他臓器とは異なるコツが必要である。本項では一般的なUnderwaterでのESDとGel immersion ESDについて触れる。

2. Underwaterテクニック

Underwaterの手技が見直されたのは、十二指腸腫瘍におけるEMRであり、2013年にBinmoeller先生らが大型の十二指腸腫瘍に対する“Underwater” EMRとして報告している1)。十二指腸においては、水中ではケルクリン襞は収縮し粘膜-粘膜下層隆起を形成するが、この襞には筋層は巻き込まれないことから、スネアによる治療が安全に施行可能とされている。

一方で、2017年頃からこのUnderwaterでの処置をESDにも応用する報告が増えており、当院では消化管では全例UnderwaterでのESD手技に移行している(実際は症例によりガス下とのHybridで行っている)。Underwaterでの手技の利点としては、1)良好な画面の維持(煙の未発生、ハレーションの消失、レンズの汚れの防止、水中での拡大効果)、2)自然なトラクション(浮力)の獲得、3)ガスと比較したときの消化管の低圧の維持にあると考える。

Saline immersion therapeutic endoscopy (SITE)、Water pressure method(WPM)、Underwater ESDなど多くの名称で報告されているが、手技的にオーバーラップする部分は多々あると思われ、筆者は同義語と認識している。特にWater pressure methodは、その水圧を利用して粘膜下層を展開するというテクニックをダイレクトに表現した用語であり、Underwater関連手技をされる先生はおそらく無意識に行っていると思われ、最もしっくりくる用語でもある。

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