キーポイント
- ROLMは、糸つきクリップとReopenable-clip(SureClip)を組み合わせた欠損閉鎖法です。
- 欠損辺縁を段階的に近接できるため、大きな欠損でも安定した閉鎖が可能です。
- 閉鎖維持には、把持組織、糸、小さな歯の穴による摩擦抵抗が重要です。
- 胃、大腸、十二指腸など様々な消化管欠損に対し、スコープを抜去せず応用できます。
- EFTR後欠損閉鎖や、専用デバイス開発など、今後の発展が期待されています。
手技の背景と方法
ESDやEFTR※1の適応拡大に伴い、大きな粘膜欠損や全層欠損に対する安全な欠損閉鎖の重要性が高まっています。特に胃、十二指腸、大腸における大きな欠損では、遅発性出血や穿孔などの偶発症対策が重要であり、確実かつ持続的な創閉鎖が求められます。
しかし、通常のクリップのみでは、大欠損に対する十分な両側把持や、粘膜下死腔(Submucosal dead space:SDS)※2の減少が困難であり、閉鎖維持にも限界がありました[1]。
ROLM(Reopenable-clip over the line method)は、糸つきクリップとReopenable-clip(以下SureClip/エム・シー・メディカル株式会社)を組み合わせることで、大きな欠損に対する段階的かつ安定した創閉鎖を可能にした欠損閉鎖法です[2]。
本手技では、糸(3-0ナイロン糸、ナイロン釣り糸1.75号、PE糸2.0号など)を結んだ糸つきクリップを、最も遠位側の欠損辺縁に留置します。その後、糸を通したSureClipを対側組織へ順次配置しながら、欠損を線状化するように閉鎖を進めます。
ROLMでは、小さな歯の穴を通過する糸の抵抗、把持された組織との摩擦、糸張力による保持力により、閉鎖状態が維持されます。また、筋層のみを把持する「筋層把持クリップ」を適宜追加することで、SDSの減少も期待できます[3]。
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