1. はじめに
ESDの特長は、任意の範囲を決定することだけではなく、任意の剥離深度を選択することができる手技であることは述べた。つまり筆者の考える理想的なESDとは、粘膜下層に潜り込んで、粘膜下層を直接視認して、臓器や腫瘍個体に応じて剥離深度を調整・選択できることである。
ESDには大きくは先端系、ブレード系、ハサミ系のデバイスが存在するが、本項では主に先端系ナイフを用いたESDを行う際に留意すべき重要な基本的事項を述べたいと思う。
2. すべては“場面出し”にかかっている
ESDの基本は、粘膜下層をいかに適切に展開できるかどうかという一点にかかっている。理想的な内視鏡の剥離像とは、病変(粘膜)と剥離すべき粘膜下層と筋層が平行になっていることである。このような適切な場面を作り出すことを筆者は“場面出し”と呼んでいる。
この“場面出し”はESDを安全に行う上で非常に重要であるが、ESDの達人といわれる人たちは、この“場面出し”をおそらく無意識に行っている。“場面出し”を上手に行うために3つのキーワードを示したい。そのキーワードとは、「フード」、「距離感」、「空気量」である。たったこの3つを駆使するだけで相当のESDが可能である。
A.フードの役割は“外科の左手”
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