早期胃癌に対する内視鏡的切除の適応

早期胃癌に対する内視鏡的切除の適応

テキストコンテンツ ESD 腫瘍性病変 治療適応判断
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八田 和久 先生
八田 和久 先生
東北大学大学院 医学系研究科 消化器病態学分野
小池 智幸 先生
東北大学大学院 医学系研究科 消化器病態学分野
正宗 淳 先生
東北大学大学院 医学系研究科 消化器病態学分野
目次

1. はじめに

本邦では、内視鏡診断技術の進歩、胃癌検診およびサーベイランス体制の整備などを背景として、胃癌の半数以上が早期癌で発見されている。早期胃癌に対する治療戦略は、従来の外科的胃切除を中心としたアプローチから、低侵襲で胃を温存可能な内視鏡的切除へと大きく変化してきた。現在では、リンパ節転移リスクが極めて低い病変に対して、内視鏡的切除が標準的治療選択肢として位置付けられている。

一方で、内視鏡的切除の適応は治療前診断に基づいて決定されるため、切除後に得られる病理学的所見ではなく、治療前に推定された情報をもとに治療方針を決定する必要がある。本稿では、早期胃癌に対する内視鏡的切除適応について、治療前診断の考え方、適応の歴史的変遷、診断精度とその限界、現行適応の問題点と将来展望について概説する。

2. 治療前診断に基づく「内視鏡的切除の適応」

早期胃癌に対する内視鏡的切除の適応の判断は、治療前に得られる限られた情報をもとに行われる。その中心となるのが、①組織型、②腫瘍径、③深達度、④潰瘍所見(Ulceration: UL)の有無、の4因子である。これらはリンパ節転移リスクと密接に関連することがわかっており、内視鏡的切除が外科切除と同等の治療成績を期待できるかどうかを推定するための指標として用いられてきた。

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