キーポイント
- 胃に非腫瘍性の隆起や炎症を背景とした発赤、びらんなどが生じるため、変化に対しての反応が鈍くなる。
- 大事なのはその画像に対して違和感を感じるか、ということである。
- 内視鏡と病変との位置関係により見えやすくなったり、見えにくくなったりするので、見上げ、見下ろしでの観察はもちろん、蠕動による見え方の変化にも気を付ける。
1. 胃の病変を拾い上げるために
1-1:胃には色々な変化が生じる
大腸で隆起やびらんを認めたり、食道で食道胃接合部以外に発赤やびらんを認めたりすると、「あれ?」と思いませんか。それに対して胃は非腫瘍性の隆起や炎症を背景とした発赤、びらんなどが生じるため、ちょっとした変化を認めることが多いと思います。そうすると変化に対しての反応が鈍くなってしまい、本当は腫瘍なのに「こんなのよくあるよね」と見逃してしまうことがあります。
1−2:違和感が大事
私は常に違和感を大切にしています。以前、X(旧Twitter)で有名な劇作家の先生が「昨日、頂いたフォロワーさんの『直感は間違えるけど、違和感は間違えない』というリプ、首がもげそうなほど頷く。」とつぶやいているのを見て、私も首がもげそうなほど頷きました。内視鏡医の直感なんてほとんど当たりません(吐血患者さんで「(血が)出ているな」と直感が働くことはありますが)。違和感はどこかに『変なところ』が存在します。もちろん、気のせいのこともありますが、違和感を感じた時は必ずどこに違和感を感じたのかを確認します。私は観察中、内視鏡を操作しながらの動いている画像でももちろんですが、フリーズした後の静止画で「あれ?」と思うことが多いです。
1−3:違和感を感じるためには
違和感を感じるためには大事なことが2つあります。1つはたくさんの「正常の画像」を見ておくことです。「正常の画像」をたくさん知っておかないと「異常の画像」に気付かないからです。もう1つはたくさんの「異常の画像」を見ておくことです。何が「異常」なのかを知っておかないと「異常の画像」に気付かないからです。そのためには、たくさんの検査をして、たくさんの画像を見ておくことが大事ですが、「異常の画像」は病変が無いと見ることができません。また胃癌の形に同じものはなく、その病変ごとに違う形をしています。見れば見るほど経験を積むことになります。自分で検査をしているだけでは、遭遇する病変には限りがありますので、色々な病変が載っている本をたくさん読んで、診断の研究会、いまではWebでもいろいろ開催されているのでたくさん参加して、たくさんの「異常の画像」を経験してください。
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