記事のポイント
- スコープが胃に入った瞬間から萎縮の評価を行うことが重要です
- RAC、襞、血管透見、褪色粗造粘膜、腸上皮化生等の所見から萎縮の有無を評価します
- 萎縮はClosed TypeとOpen Typeに分類され、萎縮の程度は胃癌リスクと相関関係にあります
萎縮の評価方法(木村・竹本分類(改変)について)
背景粘膜の萎縮の程度と出現する病変は非常に関連があります。そのため、萎縮の評価を適切に行うことはきわめて重要であり、胃内の観察を行う際に必ずおさえておかなくてはならないポイントです。
H.pylori感染によって、萎縮は前庭部より始まり、徐々に体部の小彎を口側方向に広がっていきます。噴門を超えるとその後は体部の前後壁、大彎へと萎縮が広がります。大まかには噴門を超えないClosed typeと噴門を超えて広がるOpen typeに分類されます。胃癌のリスクは萎縮の程度によって異なるため、Closed/Open typeを判別することは重要です。また木村・竹本分類の原典ではローマ数字ですが、改変ではアラビア数字が用いられています。

Closed Type:萎縮が胃体部小彎にとどまり、噴門を超えない
C-0:萎縮境界が観察されず、胃全体に内視鏡的萎縮のないもの
C-1:萎縮が前庭部にとどまり、胃角小彎を超えないもの
C-2:萎縮境界の口側端が体中部小彎までのもの
C-3:萎縮境界の口側端が噴門まで達しないもの
Open Type:萎縮が噴門を超えるもの。体部前後壁を3等分して、狭い方からO-1、2、3とされているが、評価が難しいため便宜上以下のように判別されることが多い。
O-1:体部の萎縮が噴門にとどまり、前後壁、体部大彎におよばないもの
O-2:体部の萎縮が前後壁に観察されるが、体部大彎にまで達しないもの
O-3:萎縮が体部大彎に達しているもの
O-p:萎縮境界が観察されず、胃全体に内視鏡的萎縮の所見があるもの(O-pのpはpan-atrophicの意味)
萎縮はどのような所見で評価するか
【萎縮粘膜で認める所見】襞の減少・消失、まだらな発赤、褪色粗造粘膜、血管透見の亢進、腸上皮化生等
【萎縮のない粘膜で認める所見】整った襞、RAC(Regular arrangement of collecting vebules)、胃底腺ポリープ等
これらの所見をみながら萎縮の評価を行います。
萎縮評価をどの部位で行うか
- 噴門部周囲に萎縮があるか否かで、Closed TypeかOpen Typeの判別を行う。
- Closed Typeは胃角部~体部小彎の見上げで評価を行う。
- Open Typeは体部前後壁と大彎の見下ろし観察で評価を行う。
萎縮評価、実際の流れ
- まずは食道胃接合部(胃に入る直前)に、胃の粘膜をみます。襞が有る、もしくはRACを認める場合、つまり噴門部に萎縮がない場合には、その時点でOpen Typeはないと判断できます。もちろん噴門部に萎縮があれば、Open Typeの萎縮を後に評価します。
- 噴門に萎縮がない場合、つぎに胃角までスコープを進め、胃角小彎に萎縮の有無、RACの評価を行います。胃角小彎に萎縮がない(RACが有る)場合には、C-0/1ということになりますので、前庭部の萎縮の有無を評価します。
また胃角小彎に萎縮がある場合には、体部小彎の見上げでC-2/3の判断を行います。
- 噴門に萎縮が有る場合、体部の見下ろしで前後壁、大彎の萎縮を判断し、O-1/2/3を区別します。
参考文献
1) 中島滋美ら.組織学的胃炎のtopographyと内視鏡所見.Helicobacter Res 13:74-81, 2009より
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