胃ESD後粘膜欠損に対するModified double-layered suturing(Origami法)

胃ESD後粘膜欠損に対するModified double-layered suturing(Origami法)

テキストコンテンツ 腫瘍性病変 創閉鎖
読了時間:約17分
増永 哲平 先生
増永 哲平 先生
慶應義塾大学病院 腫瘍センター
目次

キーポイント

  • Origami法は、再開閉可能なTTSCsで筋層を内側に折り畳み、欠損底を縮小する閉鎖法です。
  • 手技では、クリップを筋層に優しくあてがい、十分な脱気と吸引で筋層をクリップ内へ引き込むことが重要です。

胃ESD後欠損閉鎖の課題

胃ESD後の粘膜欠損に対する予防的閉鎖は、遅発性出血などの偶発症予防の観点から注目されています。しかし、胃は壁が厚く、粘膜辺縁が筋層側に丸まりやすいため、through-the-scope clips(TTSCs)で辺縁粘膜同士を単純に寄せるだけでは、内視鏡上は粘膜面が閉じているように見えても、粘膜下に死腔が残る場合があります。このような閉鎖では創部の密着性が不十分となり、閉鎖後の離開につながる可能性があります。そのため、胃ESD後の閉鎖では、粘膜辺縁を寄せるだけでなく、いかに死腔の少ない閉鎖を得るかが重要です。

TTSCs単独による層を意識した閉鎖

この課題に対するTTSCsを用いた工夫として、endoscopic double-layered suturingやmucosa–submucosa clip closure methodが報告されています1, 2。Endoscopic double-layered suturingは、潰瘍底の粘膜下層をTTSCsで把持して欠損を縮小させた後に、辺縁粘膜を閉鎖する方法です。一方、mucosa–submucosa clip closure methodは、欠損辺縁で粘膜と粘膜下層を一緒に把持し、粘膜面だけでなく粘膜下層も含めて寄せることを目的とします。これらの方法はいずれも、TTSCsを用いながら粘膜表層のみではなく、より深い層を含めて閉鎖する工夫といえます。この考え方をさらに発展させ、"筋層"を含んで閉鎖する方法がModified double-layered suturing、いわゆるOrigami法です3

Origami法の基本コンセプト

Origami法は、再開閉可能なTTSCsを用いて筋層を内側に折り畳むことで、欠損底を立体的に縮小する閉鎖法です。既存のTTSCs単独による層を意識した閉鎖が、主に粘膜下層までを対象としていたのに対し、Origami法ではさらに深層である筋層を意図的に把持し、内腔側へ畳み込む点に特徴があります。

この「筋層を内側に畳み込む」操作が、紙を折り畳む折り紙のように見えることから、Origami法と呼ばれています。図1aに示すように、TTSCsで筋層を直接把持し、折り紙の山折りのように内側へ畳むことが本法の基本概念です。また、ブタ胃を用いた実験では、管腔側からは筋層が内側へ折り畳まれ(図1b)、管腔外からは漿膜を含めて胃壁が強固に引き込まれている様子を確認できます(図1c)。このことから、Origami法は単なる粘膜面の閉鎖ではなく、胃壁を立体的に畳み込む閉鎖法であると理解できます。

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