胃癌の拾い上げ 注意すべき所見(各論②):びらん、色調変化

胃癌の拾い上げ 注意すべき所見(各論②):びらん、色調変化

テキストコンテンツ びらん 拾い上げ
読了時間:約15分
吉永 繁高 先生
吉永 繁高 先生
東京都立多摩総合医療センター
目次

キーポイント

  • 胃は炎症によりびらん、色調変化が生じることが多いが、胃癌もびらんや色調変化を来すことがあり質的診断が重要である。
  • びらん、色調変化が1ヶ所だけの場合は癌を疑って観察する。
  • たくさんある場合には「仲間はずれ」を探す。

1. びらん

1-1:びらんとは

潰瘍とびらんの違いについて、病理組織学的には粘膜筋板までの粘膜欠損を「びらん」、粘膜筋板を越える粘膜欠損を「潰瘍」と定義されています1)。ただ内視鏡ではその区別が困難ですので、浅そう(粘膜の厚さより下までは及んでいなさそう)なものを「びらん」、深そう(粘膜の厚さより下に及んでいそう)なものを「潰瘍」というのが一般的と思います。今回は「びらん」(浅いもの)についてお話しします。

1-2:「びらんが1個だけ」は要注意

胃の中にはびらんを認めることはよくあります。ほとんどが炎症によるもので、皆さんも「あー、びらんがあるけど炎症によるものだよなぁ」とスルーすると思います。もちろん私もそうです。ただ、びらんが1個しかない時は注意してください。炎症によるびらんならば多発することが多く、1個しかないというのはあまりありません。もちろん炎症によるものの可能性はゼロではありませんが、1個しかない時に私は炎症よりむしろ「腫瘍」、特に「胃癌」を疑います。図1は早期胃癌内視鏡治療後のサーベイランス内視鏡検査の画像です。

図1.前庭部前壁、瘢痕の近傍にびらんを認める

このコンテンツは会員限定コンテンツです

ログインもしくは会員登録をしてご視聴ください

0件のコメント

内視鏡医限定

読み込み中...

会員登録が必要です

資料をダウンロードするには、会員登録が必要です。

会員登録する ログインする