キーポイント
- 胃は炎症によりびらん、色調変化が生じることが多いが、胃癌もびらんや色調変化を来すことがあり質的診断が重要である。
- びらん、色調変化が1ヶ所だけの場合は癌を疑って観察する。
- たくさんある場合には「仲間はずれ」を探す。
1. びらん
1-1:びらんとは
潰瘍とびらんの違いについて、病理組織学的には粘膜筋板までの粘膜欠損を「びらん」、粘膜筋板を越える粘膜欠損を「潰瘍」と定義されています1)。ただ内視鏡ではその区別が困難ですので、浅そう(粘膜の厚さより下までは及んでいなさそう)なものを「びらん」、深そう(粘膜の厚さより下に及んでいそう)なものを「潰瘍」というのが一般的と思います。今回は「びらん」(浅いもの)についてお話しします。
1-2:「びらんが1個だけ」は要注意
胃の中にはびらんを認めることはよくあります。ほとんどが炎症によるもので、皆さんも「あー、びらんがあるけど炎症によるものだよなぁ」とスルーすると思います。もちろん私もそうです。ただ、びらんが1個しかない時は注意してください。炎症によるびらんならば多発することが多く、1個しかないというのはあまりありません。もちろん炎症によるものの可能性はゼロではありませんが、1個しかない時に私は炎症よりむしろ「腫瘍」、特に「胃癌」を疑います。図1は早期胃癌内視鏡治療後のサーベイランス内視鏡検査の画像です。

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