キーポイント
- 鎮静中はSpO2だけではなく、呼吸(EtCO2)と反応、循環動態の変化を早期に捉える。
- 出血では出血量と全身状態を同時に観察し、止血と蘇生を並行する。
- 穿孔では腹痛、腹部膨満、腹膜刺激症状、皮下気腫、呼吸と循環動態の変化を確認する。
- 高齢者は症状が非典型的で、薬剤作用も遷延しやすいため、術前値との比較と反復評価が重要である。
鎮静時の危険なサイン
問診と前評価
肥満(BMI35以上)、睡眠時無呼吸症候群、COPD、喘息、心疾患、肝腎機能障害、高齢は呼吸循環器合併症のリスクとなります。検査時には安定している状況か確認が必要です。その他、睡眠薬や抗不安薬、向精神薬、オピオイド、飲酒量も耐性または相加的な作用を生む手がかりになります。検査履歴があれば前回の鎮静剤/鎮痛剤の種類や投与量も参考に値します。「効きにくかった」「覚醒に時間を要した」などの情報を得ることが大切です。ASA分類と組み合わせると良いでしょう。
観察
鎮静中は、SpO₂低下だけを待たず、呼吸・反応性・循環の「変化の始まり」を危険サインとして捉えるのが重要です。酸素投与中は低換気がSpO2に遅れて現れるため、呼吸状態やEtCO2の変化を重要視することが必要です。ガイドラインでも、鎮静前評価、適切なモニタリング、監視担当者、回復期管理が重視されています。
特に危険なサイン
- 呼吸:呼吸数低下、浅い・不規則な呼吸、無呼吸、胸郭運動の減弱、いびき・喘鳴・陥没呼吸、気道音の消失、チアノーゼ
- 酸素化:SpO₂の持続的低下、または下向きのトレンド
- 酸素投与中はSpO₂低下が遅れるため、呼吸運動の低下やカプノグラム消失・EtCO₂変化が先行し得ます。図1(通常呼吸時)図2(呼吸停止時)
- 鎮静深度:呼名への反応が鈍くなる、軽い刺激でも反応しない、急に深い鎮静へ移行する
- 循環:血圧低下、徐脈、頻脈、不整脈、冷汗、末梢冷感、脈が弱い
- 誤嚥・気道トラブル:嘔吐、逆流、咳込み、喘鳴、分泌物増加、急な酸素化悪化
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